これで『空海―KU-KAI―美しき王妃の謎』がより楽しめる!歴史の謎、ミステリーに迫る!
今回ご紹介させていただくのは、先日公開になりました、『空海ーKU-KAIー美しき王妃の謎』です!
この作品は、企画の立ち上げから完成までに、なんと10年もの期間を費やした、汗と涙の詰まった作品なんです!
しかも、日中共同製作映画史上最大の本格プロジェクトなんです。
映像の美しさをCMなどで目にして、期待されていた方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、知っておくと『空海ーKU-KAIー美しき王妃の謎』がもっと面白く見れる情報をお伝えしようと思います!
①あらすじ
今から1200年以上前、日本から遣唐使として中国、唐へ渡った若き僧侶、空海。
唐に到着し、あるきっかけで知り合った詩人、白楽天と交流していた。しかし、そのころ、唐の都、長安では権力者たちが次々と奇妙な死を遂げるという、怪事件が相次いで起こっていた。
空海と白楽天は事件の謎を探っていくなかで、阿倍仲麻呂という約50年前に唐に渡った人物が事件の鍵を握っていることに気づきます。
阿倍仲麻呂が仕えた玄宗皇帝の時代、国を狂わせるほどの絶世の美女、楊貴妃がいました。
次々と起こる不思議な現象に、呪い、歴史の謎、そして楊貴妃の秘密…。
事件を追いかけ、二人がたどり着いた真実とは…?
②この映画のなにがすごいのか?
この映画のすごさは何と言っても映像へのこだわりでしょう。
普通このような映画を取る場合、グリーンバックといったものを使って、いわゆるCG映像を作り出します。
街の風景などもミニチュアのジオラマを製作し、撮影することが多いです。
しかし、この映画は一味違います!
なんと、長安の街を実際に再現してしまったのです!
その大きさ、なんと東京ドーム8個分!
製作には6年もかかっています。(デザインに2年、実際の建築に4年かかったそうです)
もちろん、幻想的なシーンなどではCGが使われはいますが、出来る限りリアルな映像を追求したからこそのすごさがこの映画には詰まっています。
ぜひ、そのすごさを劇場で確認してみてください!
③原作者はあの有名な…?
もしかしたら、もうご存知な方もいらっしゃるかもしれませんね。
そう、この映画の原作者はあの有名な作家の夢枕獏先生なんです!
夢枕獏先生といえば、『陰陽師』、『神々の山嶺』などで有名なベストセラー作家ですよね。
本作の原作となった『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』は1988年から2004年まで、17年かけて完結した、大長編です。
※空海の相棒となる人物が、共に唐にやってきた橘逸勢から白楽天になっているなど若干の違いはありますが、そこは日中共同製作ということを示す演出でしょう。
かなり長い作品ですが、映画を気に入られた方は、原作を手にとってみるのもいいかもしれませんね。
③登場人物について
これを語らないわけにはいかないでしょう。今作に登場するメインの登場人物についてご紹介します。
1)空海
中国より真言密教を日本に持ち帰り、また能書家としても知られる多彩な天才僧侶。
ですが、その生涯に関しては未だ謎に包まれたことが多いとされています。
まず、空海は唐に渡る以前までの身分は低いもので、金銭的苦労も抱えていました。遣唐使として選出されるのは学問などに精通したいわゆるエリート。空海に才能はあったのでしょうが、遣唐使はそれだけで選ばれるものではありません。そんな中なぜ空海が遣唐使に選出されたのかは未だはっきりとしたことはわかっていません。しかも、空海は入唐時、なぜか多額の金銭を所有していたそうです。
さらに、空海は唐に渡る以前の7年間に関して、ほとんどすべての伝記で記録が残っていません。この「空白の7年間」に一体何があったのでしょうか?
ここでは推測されている一つの説をご紹介します。
794年に平安京へと遷都されましたが、実はその当時の平安京への怨霊対策は不完全で様々な問題が解決することなく、当時の天皇、桓武天皇を悩ませました。
しかしながら、一度遷都してしまった都の不備を民衆を始めとする他の人達に知られるわけにはいきません。
そのため、極秘で平安京への怨霊対策が行われていたという説があります。
そこで、悟りを開き、知恵のある空海がその任務に抜擢されたというわけです。
空海の任務は極秘のため記録には残りませんが、そこで桓武天皇の信頼を勝ち得たため、権力者の後ろ盾によって遣唐使に選ばれたのだと推測されています。
以上が空海の謎に関する一つの説です。
※あくまでも、一つの説であることをご理解ください。諸説あります。
また、空海は20年の予定であった唐での留学をたったの2年で切り上げ、帰国しています。もしかしたら、本当に奇怪な事件に巻き込まれていたからかもしれません…。
2)白楽天
白居易という名でも知られる中唐の詩人。
20代の若さで高級官僚登用試験に合格するほどの多彩な才能を持つ。
「長恨歌」などを始めとする有名な詩を多数残し、その作風は日本の源氏物語などにも影響を与えたとされている。
しかもこの「長恨歌」、実は玄宗皇帝と楊貴妃について歌ったものだとされています。
映画のように楊貴妃について実際に調べていたのかもしれませんね。
④主題歌は『君の名は』でも話題になったあのバンド!?
この映画は主題歌にも力が入っています!
今回映画の主題歌を担当したのは、映画『君の名は』で大きな話題となったバンド、RADWIMPS!
この『Mountain Top』という楽曲はすべて英語の歌詞で作詞されています。
日中共同製作ということで、世界に向けた曲を作ってくれたRADWIMPSも要チェックです!
⑤まとめ
夢枕獏先生はこの作品はあくまでもフィクションだと述べているそうですが、歴史を検証してみると事実とされていることも多くあるようです。
あなたも劇場で、この壮大な歴史の真実を解き明かしてみてはいかがですか?
それではまた!